10年目となる社会的養護の子ども達の自然体験活動

 社会的養護の子ども達のバックアップ事業10年目が無事終わりました。

 

  2月8日(土)、9日(日)は、おかげさまで10年目を迎えた児童養護施設の子どもたち対象にした自然体験活動を開催しました。   

 

 この事業は、子どもたちにプログラムを届けることと、スタッフの研修(「子どもたちの行動の背景にあるものに寄り添うために」)の2本柱で行っている事業。10月から大学生をは

じめスタッフが研修を重ね本番に至りました。

 

  この日は、高槻ではめずらしく当日朝、雪がつもった摂津峡青少年キャンプ場を会場に開催。

 

 このプログラムでは、子ども達が自然の中で自らが選択してやりたいと思う事を思う存分やってみる経験をすること。その一人一人が選んだことをほぼマンツーマンでスタッフにとことん付き合ってもらうことで、人に甘えを受け止められる安心感を経験すること。このことを通して、人に対する信頼感を体で実感として学んでもらうことを目的に行っています。

 

 このプログラムも10年目を迎える中で、スタッフ層も社会人メンバー、核スタッフ、大学4回生を迎えたベテランスタッフ、2回生、3回生、そして新規の学生さんなど20数名の大所帯となり実施しています。

ついてそうそう、挨拶とスタッフ紹介の後、まずは、名札書き、アイスブレーキング。これまで関わってきたスタッフの顔や名前を覚えてくれていたり、一年間で成長している姿を観ることができたりとすごくうれしい再会&新しく来た子ども達とは新たな出会いでした。

 

 午後は、子ども達が自分がやりたいことを思う存分とことんやってみることがテーマ。

子ども達が出してくれた案に加え、選択肢を増やすということで各スタッフがそれぞれの持ち味を事前にプレゼンテーション。子ども達が選んだことにスタッフがとことん付き合って遊びました。

 

 ここで大切にしていることの一つは「変わらずに場があり続けること。」そうして継続した場がある中で、毎年の子どもたちの成長を見られること、すっかりこのプログラムも定着したことで「今年はこんなことをしよう」とあらかじめテーマを持ってくる子どもたちも増えてきました。

 

 そして同時に、学生さんの成長を見届けられることもうれしいことの一つ。そうして、この場が子どもたち、スタッフにとっても帰って来られる場であることは「居場所づくり」をするときに大切だと改めて感じました。

 

 近年、児童養護施設に入所する理由の一つに虐待のケースがあり、それは6割を超えているとも言われています。そのような状況を支える考えとして「社会的養護」(社会全体で子どもたちを支えていくという考え)という考えもあります。「社会的包摂」を目指す法人として、施設の外の役割として子どもたちに微力ながらも様々な経験を提供するプログラムの一つとして大切にしていきたい事業です。

 

 今年は、「公益財団法人楽天未来のつばさ」の助成事業として実施させていただきました。

施設の職員の皆さま、関係者の皆さま、スタッフとして関わってくれたみんな、どうもありがとうございました。